介護職が給料をあげるにはどうすればいい?

介護業界の給料事情

介護職にかかわらず社会人である以上は、給料をなるべく多くもらいたいのは当たり前の話ですよね。物価高騰や電気・ガス・水道等のライフラインの料金があがってきている昨今、介護職でも給料を増やしていける方法はあるのか? 解説していきたいと思います。

💡ひとつの場所で長く働きましょう

(令和4年12月 介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所)           当然ひとつの場所で勤続年数が長ければ長いほど、基本給額は年々上がっていきます。勤続1年(類計対象数:1,479人)の平均基本給額(毎月支払われる手当額は除外)は175,460円ですが、勤続10年(類計対象数:974人)の平均基本給額(毎月支払われる手当額は除外)は187,330円勤続20年以上(類計対象数:1,627人)の平均基本給額(毎月支払われる手当額は除外)は218,790円となっています。1年間の昇給は凡そ数千円程度といったところでしょう。短い期間で劇的に給料upを望まれている方は別の一手が必要になりますね。

【 勤続年数別 平均給与額(月給)】

勤続年数➀基本給額➁決まって毎月
支払われる手当
➀+➁
1年  175,460円    43,460円    218,920円  
2年  176,290円  44,180円220,470円
3年  177,600円  48,660円226,260円
4年  178,730円  52,710円231,450円
5年  182,020円  52,500円234,520円
6年  181,730円  53,630円235,360円
7年  184,410円  53,080円237,490円
8年  182,900円  54,080円236,980円
9年  184,990円  58,430円243,420円
10年  187,330円  58,770円246,100円
12年  186,290円  60,720円247,000円
14年  189,790円  62,730円252,510円
16年  199,640円  61,220円260,860円
18年  207,580円  62,730円270,300円
20年以上  218,790円  55,390円274,180円
参照:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 厚労省

💡夜勤のあるサービス業態を選びましょう 

サービス業態でみると、日勤帯のみの介護事業所や通所リハビリテーション事業所に比べて、夜勤のあるサービス業態の方が夜勤手当がつきますので給料upにつながります。一概に夜勤手当といっても支給方法は様々ですが、基本給+手当にさらに上乗せして稼ぎたい方にはお勧めですね。           夜勤の勤務形態も様々で、基本的には2交替制と3交替制があります。日本医療労働組合連合会の『2022年介護施設夜勤実態調査』によると、2交替夜勤勤務ではショートステイが夜勤手当の平均額が7,700円と一番高く、3交替準夜勤務では特別養護老人ホームと介護老人保健施設が夜勤手当の平均額が3,700円と一番高く、3交替深夜勤務では介護老人保健施設が夜勤手当の平均額が4,713円と一番高い結果となっています。 ※有効回答施設数にばらつきあり

 夜勤手当額 】

 2交替夜勤 
平均額最高額最低額
特別養護老人ホーム5,879円8,850円5,000円
介護老人保健施設7,226円11,70円4,000円
グループホーム5,225円9,000円3,500円
小規模多機能型
居宅介護
5,467円9,000円3,500円
看護小規模多機能型
居宅介護
5,194円8,400円3,200円
ショートステイ7,700円10,600円5,000円
 3交替準夜3交替深夜
平均額最高額最低額平均額最高額最低額
特別養護老人ホーム3,700円3,700円3,700円4,000円4,000円4,000円
介護老人保健施設3,700円4,300円2,500円4,713円5,750円3,700円
グループホーム      
小規模多機能型
居宅介護
2,500円2,500円2,500円3,700円3,700円3,700円
看護小規模多機能型居宅介護      
ショートステイ3,607円4,000円2,500円4,190円5,248円3,700円
参照:日本医療労働組合連合会 『2022年介護施設夜勤実態調査』

💡介護の資格をとろう

(令和4年12月 介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所)           介護の資格も様々ありますが、資格がないよりも何かしら資格を持っていた方が給料はupしますね令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果(厚労省)によると、どのサービス業態も介護支援専門員(ケアマネージャー)もしくは社会福祉士が給料がいいようです。保有資格なしと一番平均給与額が高い職種と比べると、77,060円~114,920円違います。事業所によっては資格取得に補助金等のサポートをしてくれる所もありますので、一つの選択のポイントになりそうですね。

【 保有資格別 平均給与額(月給)】                         ※平均一時金(ボーナス)を月額換算した場合、介護職:50,530円、介護支援専門員:58,990円を引いた値をだしております。あくまでも参考値としてとらえていただければと思います。

 介護老人
福祉施設
介護老人
保健施設
訪問介護
事業所
通所介護
事業所
保有資格なし242,180円227,940円 192,030円
介護福祉士309,590円298,890円276,040円238,940円
社会福祉士330,640円283,900円283,850円269,090円
介護支援専門員353,730円342,860円303,560円261,840円
実務者研修272,110円255,920円266,480円217,750円
初任者研修284,950円264,620円260,390円222,080円
 通所リハビリ
事業所
特定施設入居者
生活介護事業所
小規模多機能型
居宅介護事業所
グループホーム
保有資格なし203,720円212,860円214,070円211,610円
介護福祉士263,020円280,500円255,320円255,770円
社会福祉士290,500円298,510円313,850円282,660円
介護支援専門員295,890円307,420円307,490円300,560円
実務者研修250,400円229,840円230,340円241,440円
初任者研修239,500円249,000円224,790円232,910円
参照:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 厚労省 を改変

💡管理職を目指そう

(令和4年12月 介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所)           どのサービス業態でも管理職になれば大幅な給料upが望めます。管理職と管理職でない場合で平均給与額を比べると、71,270円~84,700円違います。通常管理職になるためには、勤続年数とそこでの実績が加味されるかと思いますが、事業所によっては管理職を募集している所もありますので、手っ取り早く給料upを狙いたい方は探してみるのも良いかもしれませんね。

【サービス業態別 管理職 平均給与額(月収)】                  ※平均一時金(ボーナス)を月額換算した場合、介護職:50,530円を引いた値をだしております。あくまでも参考値としてとらえていただければと思います。

 平均給与額(月収) 平均給与額(月収)
介護老人
福祉施設
管理職372,950円通所リハビリ
事業所
管理職330,460円
管理職でない290,690円管理職でない245,760円
介護老人
保健施設
管理職351,840円特定施設入居者
生活介護事業所
管理職336,340円
管理職でない280,570円管理職でない256,680円
訪問介護
事業所
管理職290,090円小規模多機能型
居宅介護事業所
管理職307,680円
管理職でない235,040円管理職でない233,840円
通所介護
事業所
管理職295,210円グループホーム管理職312,360円
管理職でない218,850円管理職でない235,330円
参照:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 厚労省 を改変

💡経営主体で選ぶのもあり

(令和4年12月 介護職員等ベースアップ等支援加算を取得している事業所)           給料が良い悪いで職場をを選ぶ時、あまり気にしていないのが経営主体ではないでしょうか?経営主体でこんなにも平均給与額が変わるんですね。やはり地方公共団体に勤めている介護職は基本的に公務員となりますので、平均給与額(月給)が321,580円と他の経営主体に勤めている介護職よりも多く給料をもらっている傾向にあります。逆に営利法人に勤めている介護職は、平均給与額(月給)が247,810円と一番少ない給料となっているようです。私の個人的な感覚からすると、営利法人(株式会社 等)は介護保険以外の他の事業で売り上げをあげているケースがあり、他の事業の経営状況が良ければ介護職員の給料にも還元されている印象です。

    サービス全体  
  地方公共団体    321,580円   
  社会福祉協議会    254,780円
  社会福祉法人    284,530円
   医療法人  268,510円
   営利法人  247,810円
   その他  262,610円
参照:令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果 厚労省 を改変

💡副業をしてみるのはいかがでしょう

これは番外編になりますが、今すぐに介護職での給料を上げることが難しい方にとって副業は一つの手段となります。コロナが流行っている時期は難しいですが、例えば介護職の掛け持ちです。本業がお休みの日に介護職の副業をする、もしくは夜勤専門の副業をするのもありですよね。また、介護職にとらわれずすき間時間にご自宅でやれる副業をするのも良いかもしれません。             ただし事業所によっては二重雇用を禁止していることがありますので、まずは就業規則を調べてみる必要があります。

まとめ

☆一つの事業所に長く勤めましょう。(自然にコツコツあがります)                           ☆夜勤のあるサービス業態で夜勤手当をもらいましょう。                    ☆何でも良いので介護の資格をとりましょう。                         ☆管理職を目指しましょう。(野心あふれる方にオススメ)                   ☆経営主体を選択の視野に入れよう。(公務員を目指すのもアリかも)              ☆副業をしてみよう(体力に自信のある方は是非)

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